- AI検索によって「検索してWebサイトを訪問する」行動は変わり始めている
- 特に「検索結果だけで解決できる情報」は流入を得にくくなる可能性がある
- BtoBのSEO流入がすべてなくなるわけではない
- 「検索流入数」だけをSEOの成果と考えない
- これからは「AIでは完結しにくい情報」の価値が高まる
- SEO記事は「答え」だけではなく「判断材料」を提供する
- 検索キーワードだけから記事を企画する方法も見直す
- SEO記事の役割は「集客」だけではなくなる
- SEO記事だけで顧客との関係を完結させない
- AI検索時代ほどホワイトペーパーとの組み合わせが重要になる
- SEOから「指名されるためのコンテンツ」へ
- AI検索時代に作るべきBtoBコンテンツ
- AIに引用されることだけを目的にしない
- SEOのKPIも流入数だけではなくその先を見る
- これからのBtoB SEOは「流入獲得」から「顧客接点設計」へ
- まとめ|AI検索時代は「流入数」より「訪問する理由」を作る
「AI検索が普及するとSEOからのアクセスは減る?」「ChatGPTなどで情報収集する人が増えたらSEOは必要なくなる?」「これからもSEO記事を作り続けるべき?」
生成AIの普及によって、インターネットでの情報収集方法が変わり始めています。
従来は、Googleなどの検索エンジンでキーワードを検索し、検索結果からWebサイトを訪問して情報を集める方法が一般的でした。
現在では、検索結果上にAIによる回答が表示されるだけでなく、生成AIを使って直接質問し、複数の情報を整理してもらうこともできます。
実際、Pew Research Centerが米国のGoogle利用者を対象に2025年3月の行動を分析した調査では、AIによる要約が表示された検索で通常の検索結果がクリックされた割合は8%、AI要約が表示されなかった検索では15%でした。また、AI要約内の引用リンクがクリックされた割合は1%でした。これは米国の特定期間・対象者における調査であり、そのまま日本のBtoB検索へ当てはめることはできませんが、検索結果だけで情報収集が完結する行動が広がる可能性を考える材料になります。
では、BtoB企業はSEOをやめるべきなのでしょうか。
PADOUでは、SEOそのものが不要になるのではなく、SEOに求められる役割が変わっていくと考えています。
これからは検索流入の数だけを追うのではなく、AIだけでは得にくい情報を発信し、SEO記事、ホワイトペーパー、メルマガ、営業などを組み合わせながら、見込み顧客との継続的な接点を作ることがさらに重要になります。
本記事では、AI検索の普及によってBtoBのSEO流入がどのように変化すると考えられるのか、これから企業がどのようなコンテンツを作るべきなのかを解説します。
AI検索によって「検索してWebサイトを訪問する」行動は変わり始めている
従来の検索では、ユーザーが検索キーワードを入力すると、検索結果に複数のWebページが表示されます。
ユーザーはその中から気になるページを選び、Webサイトを訪問して情報を収集していました。
しかし、検索結果上でAIが質問への回答をまとめて表示するようになると、ユーザーは必ずしもWebページを訪問する必要がありません。
Pew Research Centerが米国成人900人の2025年3月のGoogle検索行動を分析したところ、AI要約が表示された検索では通常の検索結果へのクリックが8%だったのに対し、AI要約が表示されなかった検索では15%でした。また、AI要約が表示された検索では26%がそのままブラウジングを終了しており、AI要約がない場合は16%でした。
さらに、2026年2月に実施されたPew Research Centerの米国成人調査では、60%が検索結果上部に表示されるAI要約を読んだことがあると回答しています。
もちろん、これらは米国の調査であり、日本のBtoBマーケティングにおけるSEO流入が同じ割合で変化することを示すものではありません。
ただし、ユーザーがWebサイトを訪問しなくても一定の情報を得られる検索体験が広がっていることは、これからSEOを考えるうえで無視しにくい変化です。
特に「検索結果だけで解決できる情報」は流入を得にくくなる可能性がある
AI検索の影響を受けやすいと考えられるのが、短い回答や一般的な説明だけで疑問を解決できるテーマです。
用語の意味、簡単な定義、一般的なメリット・デメリット、基本的な手順などは、AIによる回答だけでも一定の情報を得られる場合があります。
例えば、「ホワイトペーパーとは?」「リードジェネレーションとは?」「BtoBマーケティングとは?」といった検索では、ユーザーが求めている情報の一部を検索結果上のAI回答だけで理解できる可能性があります。
こうしたテーマの記事が不要になるわけではありません。
基礎情報を整理した記事は、自社サイトの情報体系を整えたり、関連コンテンツへの入口になったりする役割があります。
一方で、一般的な情報を整理しただけの記事を大量に作り、検索流入だけを獲得する戦略は、これまで以上に難しくなる可能性があります。
BtoBのSEO流入がすべてなくなるわけではない
AI検索が普及したとしても、ユーザーがWebサイトを訪問する必要がなくなるとは限りません。
特にBtoBでは、商品やサービスの導入を検討するときに、さまざまな情報が必要になります。
サービスの具体的な内容、料金、導入事例、独自調査、企業独自のノウハウ、詳細な比較情報などは、短いAI回答だけでは判断しにくいことがあります。
また、企業のサービスを具体的に検討する段階では、最終的にその企業のWebサイトで公式情報を確認する場面もあります。
そのため、これからのSEOでは「検索流入があるか、ないか」だけで考えるのではなく、どのような検索でWebサイトを訪問する価値が残りやすいのかを考えることが重要です。
「検索流入数」だけをSEOの成果と考えない
これまでSEOでは、検索順位、表示回数、クリック数、セッション数などが主要な指標として使われてきました。
もちろん、これらの指標は今後も重要です。
しかし、AI検索によって検索結果上で情報収集が完結する場面が増えるのであれば、サイトへの流入数だけではSEOコンテンツの価値を十分に評価できなくなる可能性があります。
BtoBマーケティングでは、最終的に見込み顧客との接点や商談、受注につなげることが重要です。
そのため、SEO記事を評価するときにも、記事への流入数だけでなく、ホワイトペーパーへの遷移、資料ダウンロード、メルマガでの反応、問い合わせ、商談など、その後の行動まで見る必要があります。
10,000アクセスを集めても顧客との接点がほとんど生まれない記事と、1,000アクセスでも継続的にリードや商談につながる記事では、BtoBマーケティングにおける価値が異なります。
これからは「AIでは完結しにくい情報」の価値が高まる
生成AIは、Web上に存在するさまざまな情報を整理して回答することができます。
そのため、どの企業でも書ける一般的な情報だけでは、自社サイトまで訪問する理由を作りにくくなっていく可能性があります。
そこで重要になるのが、自社だから提供できる情報です。
例えば、独自調査、顧客への支援実績、社内に蓄積されたデータ、営業現場でよく聞かれる質問、専門家としての考え方、実際の業務から得たノウハウなどがあります。
PADOUであれば、500本以上のホワイトペーパー制作を通じて得てきたテーマ企画、構成、情報整理、デザイン、活用に関する知見などが該当します。
一般論を説明するだけでなく、実際の経験やデータを組み合わせることで、その企業のコンテンツを読む理由を作りやすくなります。
SEO記事は「答え」だけではなく「判断材料」を提供する
これからのSEO記事では、検索された質問に答えることに加えて、ユーザーが次の判断をするための情報を提供することが重要になります。
例えば、「ホワイトペーパー制作会社の選び方」というテーマであれば、一般的な比較ポイントを並べるだけではなく、依頼範囲によって何が変わるのか、どのような企業にはどの依頼方法が向いているのか、比較するときにどこを見るべきなのかといった判断材料まで提供します。
「ホワイトペーパーは何ページが適切?」というテーマであれば、単に「10〜15ページ」と答えるだけでは十分ではありません。
なぜページ数が変わるのか、テーマや目的によってどのように判断するのか、情報量が多い場合にはどう分割するのかまで説明することで、読者自身が判断できる情報になります。
AIで短い答えを得られるからこそ、Webサイトではその答えの背景や判断方法まで提供する価値が高まります。
検索キーワードだけから記事を企画する方法も見直す
従来のSEOでは、検索ボリュームのあるキーワードを調査し、そのキーワードに合わせて記事を制作する方法が広く使われてきました。
検索需要を確認することは、今後も重要です。
一方で、キーワードだけを起点にすると、競合サイトと似た内容になりやすくなります。
同じ検索結果を分析し、同じ関連キーワードを確認し、同じような見出しを作れば、最終的なコンテンツも似たものになります。
AI検索時代には、検索キーワードだけではなく、営業がよく聞かれる質問、商談の失注理由、顧客へのヒアリング、過去のホワイトペーパーの反応、自社の独自データなども企画に活用することが重要です。
検索需要を確認しながら、自社だけが持っている顧客情報や専門知識を組み合わせることで、独自性のあるコンテンツを作りやすくなります。
SEO記事の役割は「集客」だけではなくなる
SEO記事はこれまで、新しいユーザーをWebサイトへ集める施策として考えられることが多くありました。
もちろん、検索流入を獲得する役割は今後も残ります。
一方で、SEO記事には別の役割もあります。
自社の専門性を伝えること、サービスを検討している人へ判断材料を提供すること、ホワイトペーパーへの入口を作ること、営業が顧客へ共有できる情報を蓄積することなどです。
さらに、検索エンジンやAIが自社の情報を参照できるよう、Web上に自社の知識やデータを公開しておくという考え方も重要になります。
そのため、SEO記事を「検索順位を上げるための記事」とだけ考えるのではなく、Web上に自社の専門知識を蓄積するコンテンツ資産として捉える必要があります。
SEO記事だけで顧客との関係を完結させない
AI検索によってWebサイトへの訪問機会が減る可能性があるのであれば、せっかく訪問してくれたユーザーとの次の接点を作ることはさらに重要になります。
しかし、BtoBサイトでは問い合わせだけをCVとして設定しているケースもあります。
情報収集段階のユーザーにとって、いきなり問い合わせることはハードルが高い場合があります。
そこで、ホワイトペーパー、調査レポート、セミナー、メルマガなど、問い合わせより手前の接点を用意します。
SEO記事を読んで終わりにするのではなく、さらに詳しい情報を提供することで、匿名のWeb訪問者から継続的にコミュニケーションできる見込み顧客へつなげられます。
AI検索時代ほどホワイトペーパーとの組み合わせが重要になる
AI検索によって基礎的な情報を簡単に得られるようになるほど、ホワイトペーパーにも一般的な情報をまとめただけではない価値が求められます。
SEO記事では検索している疑問について十分に回答し、その先に、より詳しく知りたい人のためのホワイトペーパーを用意します。
例えば、SEO記事で「BtoBのリード獲得方法」を解説したのであれば、ホワイトペーパーでは各施策を予算、期間、向いている企業、メリット・デメリットなどから比較できる資料を提供できます。
SEO記事で「ホワイトペーパーのテーマの決め方」を説明したのであれば、ホワイトペーパーでは実際にテーマ候補を整理するための企画シートや、具体的なテーマ事例を提供できます。
重要なのは、SEO記事を薄くして続きだけをホワイトペーパーにすることではありません。
SEO記事だけでも検索意図を満たしたうえで、さらに比較したい、実践したい、社内で使いたいというニーズをホワイトペーパーで満たすことが重要です。
SEOから「指名されるためのコンテンツ」へ
AI検索の普及によって、Webサイトへの流入数だけを見るSEOの考え方は変わっていく可能性があります。
一方で、AIや検索を通じて自社の存在を知ってもらい、その後に会社名やサービス名を調べてもらうことも考えられます。
そのとき重要になるのが、「この会社はこのテーマに詳しい」と認識してもらえるだけの情報が蓄積されていることです。
単発の記事で検索順位を取るだけではなく、特定の顧客課題について継続的に情報を発信します。
例えばPADOUであれば、ホワイトペーパーの作り方だけではなく、テーマ企画、構成、図解、デザイン、SEOとの連携、メルマガ活用、営業活用、効果測定など、ホワイトペーパーを中心としたコンテンツマーケティングについて継続的に情報を蓄積していく考え方です。
それによって、検索流入を獲得するだけではなく、その領域について相談する会社の候補として認識してもらうことを目指します。
AI検索時代に作るべきBtoBコンテンツ
これからのBtoBコンテンツでは、単に検索ボリュームがあるテーマを網羅するだけではなく、「その企業だから提供できる情報があるか」という視点が重要になります。
特に、以下のような情報は企業独自の価値を作りやすいものです。
情報 | コンテンツ例 |
独自調査 | 業界調査・アンケートレポート |
自社データ | 顧客データ・利用データの分析 |
支援経験 | よくある課題・成功パターン・失敗例 |
営業現場の知見 | よく聞かれる質問・比較ポイント |
顧客事例 | 導入背景・取り組み・成果 |
専門家の知見 | 独自の考え方・判断基準 |
実務ノウハウ | テンプレート・具体的な手順 |
顧客の声 | インタビュー・調査結果 |
こうした一次情報をSEO記事だけで使うのではなく、ホワイトペーパー、メルマガ、営業資料、SNSなどへ展開することで、一つの情報資産を複数の顧客接点で活用できます。
AIに引用されることだけを目的にしない
AI検索への対応を考えると、「AIに引用される記事を作る」という考え方に意識が向くことがあります。
もちろん、自社の情報がAI検索などで参照されることは新しい接点になる可能性があります。
しかし、引用されること自体がBtoBマーケティングの最終目的ではありません。
AIに引用されたとしても、その後に企業を認知してもらえなかったり、サービスへの関心につながらなかったりすれば、事業成果への影響は限定的です。
そのため、AI検索への対応だけを独立して考えるのではなく、SEO記事、ホワイトペーパー、サービスページ、メルマガ、営業活動まで含めて顧客接点を設計することが重要です。
SEOのKPIも流入数だけではなくその先を見る
AI検索時代のSEOでは、検索順位やオーガニック流入だけでなく、その後の行動まで確認することが重要になります。
例えば、以下のような指標があります。
段階 | 確認する指標 |
検索での接点 | 表示回数・検索順位 |
Webサイトへの流入 | オーガニック流入・クリック |
コンテンツへの反応 | 読了・CTAクリック |
リード獲得 | WPダウンロード・CV |
継続接点 | メルマガクリック・別コンテンツ閲覧 |
商談 | 商談数・商談化率 |
事業成果 | 受注・売上への貢献 |
流入数が以前より伸びにくくなったとしても、そこから獲得できるリードや商談が増えているのであれば、SEOが事業に貢献している可能性があります。
反対に、大量の流入があっても顧客との接点につながっていなければ、コンテンツテーマや導線を見直す必要があります。
これからのBtoB SEOは「流入獲得」から「顧客接点設計」へ
AI検索が普及しても、検索という行動そのものがなくなるとは限りません。
一方で、検索結果からWebサイトを訪問しなくても情報を得られる場面が増えれば、SEOだけで大量のWeb流入を獲得することは難しくなる可能性があります。
だからこそ、これからのBtoBマーケティングではSEOを単独の集客施策として考えないことが重要です。
検索やAIを通じて自社の情報と接点を持ってもらい、Webサイトを訪問した人にはより詳しい情報を提供します。
さらに、ホワイトペーパーなどを通じて見込み顧客との接点を作り、その後もメルマガや営業活動などを通じて情報を届けます。
SEOは、その一連の顧客接点の入口の一つとして考える必要があります。
まとめ|AI検索時代は「流入数」より「訪問する理由」を作る
AI検索の普及によって、BtoBのSEO流入にも変化が起こる可能性があります。
特に、用語の意味や一般的な情報など、検索結果上のAI回答だけで疑問を解決できるテーマでは、Webサイトまで訪問する必要性が小さくなることが考えられます。
一方で、SEOそのものが不要になるわけではありません。
独自調査、支援経験、顧客事例、専門的なノウハウ、具体的な判断材料など、その企業だから提供できる情報には、Webサイトを訪問して詳しく確認する価値があります。
そのため、これからのSEOでは検索ボリュームのあるキーワードを狙って記事を量産するだけではなく、「なぜこの企業のコンテンツを読む必要があるのか」を作ることが重要です。
さらに、SEO記事を読んでもらって終わりにせず、ホワイトペーパー、メルマガ、サービスページ、営業活動などへつなげることで、検索流入を継続的な顧客接点へ変えていく必要があります。
AI検索時代のBtoB SEOでは、「どれだけアクセスを集めたか」だけではなく、「どのような顧客と接点を作り、その後の関係につなげられたか」という視点が、これまで以上に重要になっていくとPADOUでは考えています。
PADOUでは、ホワイトペーパーをはじめとしたBtoBコンテンツの企画・制作だけでなく、SEO記事からホワイトペーパーへの導線設計や、顧客課題を起点としたコンテンツ企画についてもご相談いただけます。
「SEO流入をリード獲得につなげたい」「AI検索を踏まえてコンテンツ戦略を見直したい」「自社だから発信できる情報をSEO記事やホワイトペーパーへ展開したい」といった場合も、まずはお気軽にご相談ください。
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